驚くほどの恵み、なんとすばらしい響きだろう
私のようにどうしようもない人間をも救われるとは
ジョン・ニュートン (英国の聖職者)
12月21日
これは賛美歌「アメージング・グレース」(驚くばかりの恵み)の最初の言葉です。
おそらく日本では一番有名で人気のある賛美歌のひとつではないでしょうか。
元・トワエモワの白鳥英美子さんやジャズシンガーの綾戸智絵さん、最近では中島美嘉さんやヘイリーさん、
本田美奈子.さんも歌い、アルバムに収録などしています。
先日、GPファイナルのエキシビジョンでは、中野友加里選手が「アメージング・グレース」の曲にのせて演技しましたね。
とても美しい曲ですが、その背景を知ると、心打たれます。
どうしようもない自分でさえゆるしてくれるほどの恵み・・・この賛美歌には、作詞者ジョン・ニュートンの心からの感謝が込められています。
ジョンは奴隷貿易に携わっていました。奴隷として捕らえられた黒人を船で輸送するのが仕事です。彼は、奴隷からだけではなく、乗組員からも、残忍で無慈悲な人間であると考えられていました。
彼の転機は、22才で航行中に大嵐に遭ったときに訪れます。瀕死の状況で、神の恵みを乞い、心から祈りました。すると、船は奇跡的に嵐を脱し、彼の命は助かったのです。
彼の人生は変わりました。
それからしばらくして牧師となり、のちに自分の救いの経験を「アメージング・グレース」に書き留めたのです。
自分がとてつもなく悪い人間で、まわりの人から嫌われて当然だということがわかっているとき、その反対にあやまちを赦されて受け入れられたなら、どれほど感謝することでしょうか。
「こんなひどい自分でも救ってくれた」恵みを、多くの人に伝えたかったのですね。
彼の墓碑銘には、遺言により次のように記されています。
ジョン・ニュートン。牧師。かつては不信心な放蕩者で、アフリカの奴隷のしもべは、われらが主なる救い主イエス・キリストの深い慈悲により、守られ、生き返らされ、赦され、そして、かつて永らく破壊しようとしていた信仰を説くために任命された。
ジョン・ニュートンは、1807年の今日(12月21日)、救い主の待つ天国へと旅立ちました。
