インターネット上では、冗談が冗談ですまされない場合がよくあります。
「冗談のつもりだった」--Wikipediaへの虚偽書き込み事件、張本人が名乗り出る
CNET Japan より
テネシー州ナッシュビル在住のBrian Chase(38歳)は、地元紙「Tennessean」の元編集者だったJohn SeigenthalerについてのWikipediaの項目に、Kennedy兄弟の暗殺に関与したとの書き込みをしたのは自分であることを、米国時間9日にSeigenthaler本人に告白し謝罪したという。
Chaseはこのいたずらの動機について、自分が業務担当マネージャとして働く小さな運送会社の同僚を驚かすつもりでやったことだと説明。
「いたずら」は、原文の英語記事では joke=冗談。
いくらなんでも、誰かが「暗殺に関与していた」なんて虚偽の書き込みを、とくにWikipediaのように影響力のある場所にしておいて、「冗談でした」とは・・・。
Wikipediaの対応も、問題がありそうです。「数千人のボランティア編集者で構成されるコミュニティが数分で間違いを修正する」と主張しているにもかかわらず、4ヶ月もの間、この虚偽の記述を掲載したままでした。
Wikipediaの責任者いわく、「項目内容の誤りは(Seigenthaler)本人が修正するまでしばらく放置されたままだった。われわれは現在、休日返上で今回の件とその問題点について調査を進めている。われわれは、成長に伴う痛みを味わっているのだと思う」
「痛みを味わって」いるのは、暗殺の容疑者よばわりされたSeigenthaler氏の方ですよね。はたして、Wikipedia側からの謝罪はあったのか、興味のあるところです。
ともかく、今回の事件でWikipediaの信用性はずいぶんと失われました。
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もうひとつ問題になった、インターネット上の「冗談」。
ウサギの解剖をネット公開 「冗談で」宮崎大6医学生
Excite エキサイト : 社会ニュース より
宮崎大医学部(宮崎県清武町)の学生6人が、ウサギの死骸(しがい)を自宅で解剖し、その写真をインターネット上で公開していたことが12日、分かった。
うち1人が9月中旬、宮崎県内で車を運転中、飛び出してきたウサギをはねた。5人はこの学生の自宅に集まり、死んだウサギを解剖。その様子を撮影し、写真をブログ(日記風サイト)に掲載した。
こちらも、「冗談のつもりだった」と弁明しているそうですが、これから医者になろうというわけですから、もう少しよく考えて責任をもって行動して欲しいです。
どちらのケースでも、不特定多数の人が閲覧するインターネット上での「冗談」は、ただの冗談ではすまされない場合があるという認識不足が原因であるように思えます。
これらのことが、私たちみんなへの教訓となりますように。